
オフィスマウンテンvol.11『体操させ、られ。してやられ』
第二回ことばと新人賞を受賞した同名の小説の舞台化に挑む!
奇怪といわれた文学作品をどう舞台に立ち上げるのか
『小説を演劇にする。そのまま小説を演劇にする。文章も変えずに。そんな恐ろしい作業を舞台上でやろうとする5人の俳優は書いた僕より大変だ。文字が身体を用いて立ち上がる。この5人。凶暴につき。共謀にズキ。』
山縣太一
原作:山縣太一「体操させ、られ。してやられ」
作・演出・振付:山縣太一
戯曲構成:山縣太一 宮﨑輝
出演・振付
大谷能生 横田僚平 岡田勇人 宮﨑輝 鶴田理紗
音楽:大谷能生
振付管理・舞台監督:飯塚大周
音響:牛川紀政
照明:吉本有輝子(真昼)
オフィスマウンテンvol.11
『体操させ、られ。してやられ』
▪️日程
12月17日(金) 18:00開演
12月18日(土)、19日(日)、20日(月) 15:00開演
▪️会場
STスポット
〒220-0004 横浜市西区北幸1-11-15横浜STビルB1F
▪️チケット 11/1(月)10:00~予約開始
・一般:2,800円
・U25*:2,500円
・マウンテンチケット(特典付):5,000円
特典1:上演台本
特典2:大谷能生作曲サウンドトラック
特典3:振付ノート
予約▶︎https://peatix.com/group/11163524/events
*U-25
25歳以下対象。事前にチケットを購入の上、公演当日の受付にて、年齢確認ができるものをご呈示ください。(学生証、健康保険証、免許証など)
障害のある方について
ご本人と付き添いの方1名は半額料金(前売りのみ)。mountain.ticket@gmail.comへお申し込みください。 ※車いすをご利用の方は事前にお問合せください。
お問い合わせ:mountain.ticket@gmail.com
*新型コロナウイルス感染拡大防止のため「横浜市文化施設における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン(令和3年11月30日改訂版)」に沿って、感染防止対策チェックリストを公表します。

線描:近藤恵介
デザイン:戸塚泰雄
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山縣太一
作・演出・振付・戯曲構成
[プロフィール]
1979年、横浜生まれ。演劇カンパニー《オフィスマウンテン》主宰。作家、演出家、振付家、俳優、ダンサー。初の小説『体操させ、られ。してやられ』(2021)が第二回ことばと新人賞を受賞。『ドッグマンノーライフ』(2016)が第61回岸田國士戯曲賞最終候補、『ホールドミーおよしお』(2017)が第17回AAF戯曲賞最終候補にノミネート。

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大谷能生
出演・演出・振付・音楽
[プロフィール]
音楽と批評。ミュージシャンとしてジャズを中心に、sim、呑むズ(T.美川、HIKOとのトリオ)、蓮沼執太フィルなどさまざまなバンドやセッションで活動。N/K aka 菊地成孔とのJAZZDOMMUNISTERSでは「谷王」名義でラップとトラックメイキングを担当する。K-BOMBと組んでのブレイク ビーツ・ライブ・シリーズも定期開催中。舞台芸術の音楽も多数手がけ、チェルフィッチュ、東京デスロック、オフィスマウンテン、室伏鴻他多くのカンパニーと作品を制作。著作とし ては『平成日本の音楽の教科書』、『平岡正明論』、『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』、『東京大学のアルバート・アイラー』(菊地 成孔との共著)、『日本ジャズの誕生』(瀬川昌久との共著)、『身体と言葉』(山縣太一との共著)など。
横田僚平
出演・演出・振付
[コメント]
オフィスマウンテンの新作に参加できることは自分にとってかなり特別なことです。
一生懸命に頑張ります。
[プロフィール]
オフィスマウンテンに所属しながら舞台俳優をやっています。代表作はオフィスマウンテン「NOと言って生きるなら」、松田正隆「シーサイドタウン」、ダダルズ「おいなりさんラジオ」、円盤に乗る派「おはようクラブ」等。


岡田勇人
出演・演出・振付
[コメント]
山縣太一の文章には読点が極端に少ない。
『体操させ、られ。してやられ』に登場する読点は、意味を判読し難いこのタイトルに付けられた一点と、文中に数カ所のみだ。「させ、られ」の「、」は明らかに言葉の関節の脱臼として用いられている。はっきり言って普通の言葉の運用ではありえない。読点は普通、文章を書きながらそれを分節化する際に用いられる。その時に、書かれつつある文の流れは中断する。あるいは、事後的に文章の体裁を整えるために打たれ、荒々しい流れが堰きとめられる。いわば河の護岸工事のように文は整備される。
この小説は間違いなく濁流なのだが、言葉は溢れ出すのではなく、むしろ延々と渦を撒くようだ。作中、語りが複数の視点を行き来するが、世界は複数の視点へと拡散するのではなく、ぬるっと出てくる正体不明の〈私〉の身体の底の方へと凝集していく。
『体操させ、られ。してやられ』は山縣太一の過剰な私小説なのだと私は思う。
[プロフィール]
1994年生まれ。大学で映画、美術などを学んでいたが山縣太一のワークショップに参加したのを機に演劇に興味を持つ。現在、オフィスマウンテンで映像、出演など。
宮﨑輝
出演・演出・振付・戯曲構成
[コメント]
今年の春も夏もどこに行くにもこの小説を持ち歩いて走って太ももぱんぱんで、6月の吉祥寺のカフェで読んでハッとしてギュッとしたり、読むのに飽きて台本の端にキツネを書いたり、東横線で隣に立っている人の身体の状態がいちいち気になって乗り物酔いさせられたりしていました。
「体操させ、られ。してやられ」が書いたカメラの中にいて外にもいるような存在のしかたを、小説から演劇に場を移してやってみるとどうなるのか。小説版とは違うかたちの奇怪で捻じ曲がった事故が起こせるように毎日トライします。
[プロフィール]
山口県出身。大学在籍時から映画を作り続けている。2020年にオフィスマウンテン『アながあくほド』に出演。その後メンバーに加入し記録映像の撮影編集などを行う。監督した映画『見続ける涯に火が!』が国際ダンス映画祭にて上映予定。


鶴田理紗
出演・演出・振付
[コメント]
3回目の稽古を終えたところで、この文章を書いています。分かりそうで分からないオフィスマウンテン的「身体」に身悶えしています。どのようなプロセスでその状態になれるのか。稽古での発言や、時にこっそり近くの人に聞いてみたりすると、どうやら皆んな、辿っている道すじが違うので驚きました。でもそりゃあそうだよな、とも。私も自分なりの道すじを辿って、オフィスマウンテンの身体をつかみたいです。また今回、私のみが初参加ということで、良い意味で「浮いた」存在になれたらなと思います。よろしくお願いします。
[プロフィール]
日本大学芸術学部演劇学科在学中から舞台に出演し、劇団白昼夢に所属。卒業後は、白昼夢を軸としながら小劇場演劇を中心に活動。平田オリザ主宰のこまばアゴラ演劇学校無隣館にも在籍した。主な出演作は、『麒麟大天覧』(石坂雷雨演出)、『現在地』(綾門優季演出)、『物の所有を学ぶ庭』(山本健介演出)、『ツヤマジケン』(屋代秀樹演出)、『流れる-能 “隅田川”より』(大塚健太郎演出)、『福井裕孝「デスクトップ・シアター」』(福井裕孝・吉野俊太郎演出)など。他に、映画「愛をたむけるよ」(団塚唯我監督)など。
飯塚大周
振付管理・舞台監督・制作
[コメント]
今回オフィスマウンテンでは「振付管理」という新しい試みを導入しております。これはこれまで出演する俳優それぞれが各々で行っていた振付と演出の記録を、出演しないメンバー、いわば第三者の人間も行い、また、その人間が管理業務も担うというものです。こうすることによって解釈のブレを減らし、振付や演技に厳格さを持たせ、作品の精度を高めることが出来ると思っています。さらに今回はこのシステムに加え、稽古中に出てきたそれぞれの振付を可能な限り正確に、写実的に絵に起こして記録しています。これもやはり俳優の作業の曖昧さをなくし、演技の再現性と完成度を高めるために行っております。
また、やり方は色々あるでしょうが、こういった稽古や俳優の仕事を記録するという作業は他の団体でもないがしろにされず、広まっていってほしいと私自身願っております。演劇制作の過程で何となくぼんやりとしがちな俳優の作業に対し、過小評価も過大評価もしない、冷静な分析をするために必要な習慣であると考える所存です。
さて、ここからは宣伝ですが、先述した「振付を写実的に描く」という作業をこの飯塚大周が頑張ってやっております!しかも全て直筆で!液タブ欲しいけど持ってないからA4コピー用紙とゼブラのペンでです!これらみんなが頑張った稽古の記録と私が頑張った絵の数々は「振付ノート」としてまとめ、販売させて頂こうと思っております!(もちろんマウンテンチケットを購入してくださった方には特典としてプレゼント!)これまでの公演でもオマケのような形で振付メモは販売しておりましたが、今回は一つのコンテンツとしても成立するほどの面白みが出ると一同自負しております!舞台公演とあわせてそちらも何卒よろしくお願いいたします!
[プロフィール]
飯塚大周(チーム夜営 / オフィスマウンテン / KCN / The Bushmeats)1992年生。武蔵野美術大学を卒業した後、音楽家、音響家、俳優、ダンサー、イラストレーター、プログラマーなど様々な分野で活動中。所属しているバンド「KCN」や「The Bushmeats」では主にギタリストとして参加している。また、STスポット主催公演『ラボ20#22』ではエレキギターで自分が演奏したフレーズからダンスを生む過程を表現したソロパフォーマンスを行った。オフィスマウンテンのことを知ったきっかけは大学の先輩であり独自の身体表現を追求している武本拓也氏の紹介から。それから公演やWSに足を運ぶようになり、主宰に「入りなよ」と言われ「はい」と答えた夜、オフィスマウンテンのメンバーとなった。

関連イベント
会場ロビーにて、川上元哉の美術作品を展示します
本編『体操させ、られ。してやられ』の上演と併せてお楽しみください

川上元哉
展示
[プロフィール]
1996年生まれ 神奈川出身
東京造形大学在学中
ある種の振り付けによってひり出される、或いは他もあり得るがそう動いた身体をとっかかりにパフォーマンス/映像などの作品を制作する。
これまでの主な展示・出演
「どうぶつえん in TOKAS 2021」トーキョーアーツアンドスペース 2021
「palm」"Fresh" in Ranzan Studio 2020
制作:山縣由紀子 花井瑠奈 飯塚大周 ロビンマナバット
協力:馬場祐之介 プリッシマ 白昼夢 伊藤浩志
特別協力:急な坂スタジオ 祖父江慎 佐々木敦 中原昌也 荘子it 村社祐太朗 村上啓太 桜井圭介 和久田頼男 山本伊等
橋本匠 山下残 隅地茉歩
助成:文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
主催:オフィスマウンテン

