top of page
岡田勇人

『アながあくほド』ゲスト&キャストトーク ゲスト:手塚夏子 書き起こし

更新日:2020年11月28日



2020/11/14


手塚 何時って言ったっけ?二時だっけ?三時って決めたと思いこんでた、こっちの。


太一 あ、よかったです。


手塚 あれがあるんだよね、時差が。


太一 はい、はい。


手塚 ごめん、大丈夫?


太一 ええ、あの、大丈夫です。


手塚 すいません。ええと、はい。えーと、すいません、遅くなって。三時だと思ってたんで。


太一 いえ。


手塚 なんかあの。えーと。2時20分、2時でしたね、こっちの。ごめんなさい。はい。


太一 いえいえ。無事で良かったです。


手塚 (笑)


太一 ちょっと。


由紀子 音声の誤差を。


手塚 皆さんはそれぞれのお家なんですね、今ね。


太一 そうですそうです。


手塚 私だけ時差があるんですか?


岡田 そうですそうです。みんな日本です。


手塚 (笑)。おかしいな、なんでだろうなぁ。やっぱり日本だからかな。


太一 そうかもしれないですね。


手塚 いつも、でも、毎日喋ってるんですけどね。日本にいる人と、毎日zoomで喋ってる

んですけどね。


太一 へー。


手塚 ハウってますか?大丈夫?


太一 ええ、あの、大丈夫な範囲です。


大周 (笑)


手塚 えーと、あの、繋げましょうか?繋げたほうがいい?


太一 そうですね。何かしらそういうのも。


手塚 繋げます。


太一 はい。


手塚 (イヤホンを繋げている)


太一 あ、ありがとうございます。


手塚 大丈夫な感じかな?


岡田 聞き取りやすいです。


手塚 あ、聞き取りやすくなった?ハウってた?今まで。


太一 えとー、はい。


大周 ハウリングはしてないです(笑)大丈夫です。


手塚 ハウリングはしてない。あ、でも時差縮まった感じ。


太一 そうですね。


手塚 なんでだろうな。不思議。


太一 まぁ僕らの耳もいかれてるんで大丈夫です。


手塚 (笑)


太一 ちょっと、はじめましての人もいるんで、ちょっと自己紹介も、含めて。


手塚 はい。お願いします。


太一 はい、はい。ちょっと一人ずつ自己紹介を。ええと。岡田君、宮﨑君とかははじめてだよね?


岡田 はい。えっと、オフィスマウンテンの岡田勇人です。

手塚 はじめまして。


岡田 はじめまして。よろしくお願いします。


手塚 岡田君ですね。はい、はじめまして。


太一 宮﨑君も。


宮﨑 宮﨑です。今回初めてオフィスマウンテンに参加しました。


手塚 はーい。


宮﨑 よろしくお願いします。


手塚 宮﨑君、よろしくお願いしまーす。


太一 宮﨑君は映画監督をやってます。


手塚 お。あ、そうなんですね。


宮﨑 はい。


手塚 ふーん。


太一 あとは皆さん、手塚さんとはお会いしたことがあるって豪語してるんですけど。


手塚 ありますね(笑)ありますよー。


大周 豪語してます。


太一 覚えてます?


手塚 もちろん覚えてます、はい。えーと、飯塚さんと。お名前、えーと、たつみ、たつみ君。


たくみ たくみ。


手塚 えーと、はい。えーと、あれに、SCOOLでお会いしましたよね?


たくみ ダンスのイベントとかで。はい。


手塚 しましたよね?


たくみ 国境を越えて。


手塚 はい。そうですよね?私もあれ観ました。(笑)


たくみ あとあれ、あの、BONUSでやって。

手塚 そうですよね、その時もお会いしましたよね。


たくみ お会いさせてもらってます。


手塚 何回か、あの、ZOOMの会議を、一時期、定期的にやってたときも一緒にいらっしゃいましたよね。


たくみ 一時期やってたときとか、はい。


手塚 髪の毛が、だいぶお伸びになって。ちょっと印象が変わって、わからなかったですけど。


たくみ ええ、ええ。このくらいの長さにしようと思ってて。


手塚 あ、そうなんですね。いい感じです。


たくみ ありがとうございます。


手塚 いい感じだと思います。はい。


太一 矢野君のことも。えーと。


手塚 矢野君、ワークショップ出てくれたよね。あの。


矢野 ええ、はい。


手塚 えーと、何だっけ。えっとー、実験を作るやつ、一緒にやったよね。発表会まで。


矢野 はい、SCOOLで、やりました。


手塚 うん、SCOOLのワークショップで。


矢野 そうですね、はい、作りました。はい、はい。


太一 そうなんですね。よかったです。はい、なかなか。でもまぁ、あのー、初対面の人もいますけど、みんな手塚さんのこと知ってますよ。


手塚 あ、そうなんですね。ありがとうございます。


太一 はい。


手塚 恐縮です。


太一 今はそのコロナ禍で、そのドイツの状況とかはどうですか?11月末までちょっと劇場が閉まっちゃう、みたいな事をちょっと聞いたんですけど。


手塚 はい、ロックダウンがまた発表されてしまいましたー。


太一 はい。それはベルリンに限らず、ドイツの?


手塚 ドイツ全部ですね。


太一 あ、全体の、はい。


手塚 うん。それで、劇場はお客さんを入れるものはすべてできなくなっていて、ただ、そのリハーサルは禁止されてない。


太一 はい。


手塚 で、えーと、適切な距離を取ったりとか、あの、マスクとか色々すれば、リハーサルはやってよくて、だから無観客上演の配信とか今でもされているという感じですね、うん。


太一 手塚さん自身先日、フェスティバルで公演を行なっているじゃないですか。


手塚 はい。


太一 あれは?



太一 はいはい。あの時はまだ?


手塚 あれは、はい。あの時はいちばん、色々やっていいよねっていう雰囲気になって、あれもまあ、外の、全く外でパフォーマンスをするやつだったんですね。だから、比較的そのイベントが、開かれてました、夏は。


太一 ふーん。


手塚 で、えーといちばん最近では、ケルンで


太一 はい。


手塚 ケルンに日本文化会館というところが、あるんだよね。


ケルンで行った手塚夏子さんの公演「壁と戯れる」

手塚 そこで、『壁と戯れる』という作品を上演しました。規制が、ちょうどちょっとずつ厳しくなって、ロックダウンの直前に上演したんですね。(https://fft-duesseldorf.de/stueck/mauerspiel/?lang=en)


太一 はい。はあ〜


手塚 それが10月の半ばで、その規制が厳しくなって、当日に急に規制が変わったんですよ。


太一 はい。


手塚 20人くらい予約してたお客さんが来れなくなって、それは結構悲しい事件を…でも…うん。で、11月からロックダウンに入りました。


太一 はあはあはあ。生活生活レベルではどうですかなんか、変化はやっぱりありますか?


手塚 生活レベルでは、まず、レストランが全部閉まってしまって、えーと、カフェも閉まってます。なので、えーと、テイクアウト。全部テイクアウトになっていて。で、友達と会うってなると、ほんとに、1人に1人っていうか、2家族…、一緒に住んでいる人はまあいいんですけど、一緒に住んでない人は、あの1家族としか、会えない規制がありますね。


太一 うん、うん、うん。


手塚 なので、あの親しい家族だけ。その代わり4人家族が4人家族を招待してもOKみたいな。


太一 はあはあはあはあ。


手塚 8人になっても、2家族までは大丈夫ってこと、うん。


太一 あーでもそれぐらい具体的だといいですね、日本みたいにこうなあなあじゃないですもんね。


手塚 うん。日本だと決まってない分、人の差が激しいですよね。


太一 もう激しすぎて、それで疲れちゃいますね。


手塚 ははは、だよね。どういう風にしてるんですか?みんなそっちでは。会わないようにとかしてるの?


太一 僕らはもう、僕が静岡なんで、稽古を跨がないように。この前、もう先日ほんとに、宮﨑くんとかとはほんとに先日、久しぶりにSTスポットで会って。


手塚 あー。


太一 ずっとオンライン上だったんで。


手塚 あーそうなんだ。


太一 はい。


岡田 顔面演劇は…


手塚 やっぱりみんな稽古はやらないようにしてたの?


太一 顔面演劇の稽古は全部オンラインで。


手塚 はあーん。


太一 やってたんで、直接会ってなくて。


手塚 うんうんうん。


太一 だから、ほんとに直接会ったのがごくごくごく、最近ですね。


手塚 そうなんだー。なんかクリエイションのドキュメンタリーとか超観たいなあ。画面越しでしてたんですか?


太一 えっと、稽古ですか?


手塚 稽古の時に。どういう風に稽古したのかちょっと聞きたいなあ。


太一 はいはいはい。あの、岡田君なり、宮﨑君からなんかある?


岡田 基本的にこの形ですよ。


手塚 ふっはは。


岡田 zoom繋げて、みんなでそのzoom繋いだ状態でやってみて、でリアクションをもらって、で、たがいにzoom上で観ながら変えていく、っていう感じでしたね。


手塚 なるほど。顔の表情っていうか、いろんな動きがあったじゃないですか。


岡田 はい。


手塚 それは、本人が決めるのか、太一君、山縣太一君が決めるのか、どっちなんですか?


岡田 今回太一さんが決めたところ一箇所もないですね。


太一 ないね。


手塚 あそうなんだー!ヘェ〜!


岡田 自分たちがそれぞれ自分の振り付けを作って、まあそれは文章として一応共有はして、で稽古の場でやってみてるのを観て、それがどう見えるのか、っていうのをみんな反応もらって。


手塚 ヘェ〜!


岡田 振付を個人がどんどん足していく、っていう方向性でしたね。それをすべてオンライン上でやってました。


手塚 はあ、じゃあ振付ってことは即興じゃないってこと?決めた顔するってこと?


岡田 その、顔を決めているっていうよりかは、なんか普通に身体への振付も用意してあって…


手塚 インストラクションみたいなものかな。


岡田 アトラクション?


手塚 イン。インストラクション。


岡田 あーそうですね。


手塚 ここをこうして、みたいな感じ?


岡田 そうですね、なんかだから、ここらへんとか引っ張った時に、まあここは映ってないけど、顔が若干こう、寄ってるとか。


手塚 なるほどー。そういう風にやってたんだあ。


岡田 そういう風に作ってましたね。


手塚 おもしろいねー。


太一 宮﨑君とか、どう?俳優デビューでしょ。


宮﨑 そうっすねー、はい、あとは自分で振付って事を今回初めてやったんですけど、それプラスけっこうオンラインの稽古で毎回求められたのが、その他人を演出するっていうか、その、他人の振付をもっとこうしてみたらいいんじゃない?みたいな事を、セリフ単位で区切って何周かやってから、通し稽古に入るみたいな、感じでやってましたね。


手塚 はあ〜なるほどなるほど。へえーけっこうでもその、振付を孤独にやるのはけっこう、大変な作業ですよね。大変じゃなかったですか?


宮﨑 あー。


手塚 自分に自分で振り付けるっていう、そのプロセス。


宮﨑 そうですね。まあ、僕が参加したときは割ともう、週に一回ぐらいの頻度で稽古がある、って感じだったんでたびたびトライして、またその1週間で色々やってみるみたいな感じだったですけど。


手塚 なるほど。


宮﨑 僕が参加する以前は、普通に自撮りして録画した映像とかを太一さんとか岡田さんとかは共有して、それに色々コメントを付けるみたいな事をやってたみたいです。


手塚 なるほど。ほあー、すごいおもしろい、そのプロセスがすごいねえー。いや、おもしろいわ。


太一 矢野君だけ、純粋な俳優なんですけど。


手塚 うんうん、そうなんだ。


太一 だからその、純粋な俳優としてなんかオンラインの演劇っていうのは、矢野君の中では、どういう違いがある?あるの?


矢野 あ、そうですね。でも僕、顔面演劇がたぶんほぼほぼオンライン演劇、もう一個この前やりましたけど。


太一 うんうん。


矢野 そうですね、あんまり、その僕にとってはけっこう顔面演劇が今んところオンライン演劇、みたいな。けっこうメインみたいな感じになっちゃってるから。あんまり他のオンライン演劇はわかんないんですけど。


太一 うんうんうん。


矢野 でもそうっすね、違い、違い、違いですか?ごめんなさい。


太一 なんかほら、違う。オンライン演劇の違いってか、矢野君ほら、俳優として舞台に立ってて、日常でも舞台に立ってたんだけど、こういう、ね、コロナがあったりして。


矢野 あー。


太一 ね、こういう表現方法に、変化していかざるを得ないっていう話じゃない。


矢野 あー、はい、はい、そうですねー、でもやっぱ、お客さんがいないのはでかい、でかかったですね、やっぱ。


太一 でかいね。


手塚 うーん。


太一 でかいね。


矢野 撮った後もわからないっていう。その、うーん、やっぱり作ったあとも、


手塚 リアクションがね。


矢野 はい、リアクションがわかんないっていうのがかなり、うん、違うなと思いましたし。


手塚 うんうん。


矢野 でもけっこう良かったのはその、なんですかね、共演者もこう一緒に見えるっていうか、かなり。


手塚 うん、うん。


矢野 共演者も観客の役割は担ってた気がする。毎回のその、


手塚 なるほど。


矢野 観客というかその、なんだろう、普段の、なんかもっとしなくちゃいけないかもしれないんですけど、なんか、その実際の舞台上よりももっと、集中できるというか、すごい、見てる。


手塚 うんうん。


矢野 ほんとはこれくらい見なくちゃいけなかったのかもしれないんですけど、なんか、オンライン、すごい、他の共演者のことが見えたってのは、ありますね。


手塚 あー、けっこうみんな集中してやってる感じだったけど、集中していても同時に他の人を見るんだね。画面は一個だからね。


矢野 そうですね、すごい。


手塚 うん。ふーん。


太一 大周はどう?


大周 やってみてですか?顔面演劇。顔面演劇やってみてやっぱ、ほんとその手塚さんの仰ってた通り孤独ですごく。


手塚 ふっふっふ。


大周 孤独だし、あーのー、なんか打ち上げで話してたんですけど、すごく、もどかしい、んですよ。


太一 打ち上げもオンラインだからね。


矢野 はっはっはっは。


大周 打ち上げもオンラインなんですけど。あーのー、やっぱり、画面上では一応ほかの3人の顔が見えるんですけど、ただなんかその、顔、逆に顔しか見えないので、それ以外に例えば周り、足がどうなっているのかとか、その人の周りに何があるのかとか、そういうものを、やっぱり顔面、映像の中ではこう、推測することしかできない訳なので、


手塚 うんうんうん。


大周 そこがやっぱり、あのーカメラを通してオンラインでやるのと、劇場とか、まあスタジオとかなりで、実際に会ってやるのとでは、なんか、なんだろう、かなりそこで差がすごいあったなあっていうのは、感じましたね。


手塚 うんうん。


大周 なんか、劇場だったらもう一発でわかることがもう、何度も、もう例えばカメラのアングルを変えてみたりとか、あの、振り付けの説明をもうちょっとしてもらったりとか、そういうプロセスを踏まないと、あの、顔以外のこととか、その人がやってる作業、いわゆるインストラクション的なことが、なんなのかっていうのが、見えて、わかりにくいっていうのが。


手塚 うんうん。


大周 そういうもどかしさをなんかずっと感じてましたね。個人的には。


手塚 うんうん。あの、脚本があったじゃないですか。あの、台詞、脚本を送ってもらった。あれは振付とはまた違うの?それともあれが振付なの?


太一 あれをもとにっていうのもあるんですけど、あれをもとにしないものもあるので、はい、だからその辺はだから、まあ、僕はさっき岡田君が言ったみたいに、振付自体はしてないんですけど、まあ一応。


手塚 もとになるテキストを書いてるってこと?


太一 そうですね、戯曲を書いた時点で、こういうことができるんじゃないのかな?っていうような、なんとなく自分で台詞覚えて、やってみて、


手塚 なるほどなるほど。


太一 こんな風にできるんじゃないかなっていうのが、一回は試してるんで。


手塚 うんうんうん。


太一 だからその辺は…


手塚 じゃあ、台詞を喋るというのが決まっているという状態で、振付をするっていうことだよね。


太一 そうですね。


手塚 ふーん。別に、いわゆる役になるっていう訳じゃないんだよね。


太一 ないですよね。役になってる訳じゃないですね。


手塚 うんうんうんうん。なんかこう、音楽としても通じるっていうか、一つの、なんかこう現代音楽じゃないけど、なんかそういうアンサンブルみたいな感じにもちょっと聴こえたっていうか。


太一 あー。


手塚 その、顔も含めての、なんかこう、色々なこう奏で合いみたいな感じになって、そのタイミングとか決まってないのかもしれないけど、うん、なんか、ダンスだったり、音楽だったりっていう風に、見えました。


太一 いや、嬉しいですね。まあ、なんか、ああ、どうぞどうぞ。


岡田 矢野さんがその、普段の舞台の上からやってるのとは全然違う見え方してたって言ってたじゃないですか。なんか、僕もけっこうそれがあって、なんていうか、より人に反応する速度が逆に早くなって、


手塚 うーん。


岡田 なんか一回、実際にオフィスマウンテンで舞台上で作品に出たんですけども、なんかその時と違う、なんていうんだろう、そのときは、あ、この人は身体のここを意識しているのかなとか、考えるんですけど、なんかそれをじんわり自分も持っとくみたいな感じなんですけど、顔面演劇はほんともう近いから、ほかの人の目線があ、こっちに動いたなとか、あ、ここが今動いたなとか、けっこうなんか直に入ってきちゃうんですよね、僕の側に。だからさっきもちょっと話したんですけど、こうやってみんなとzoomとかで話してると、顔真似とかすぐしたくなっちゃうようになって。


手塚 ははははは。おもしろい。


岡田 眉毛が、あ、矢野さん今上がってる、みたいなのをなんか別に言いはしないけど、ちょっとこう真似してるっていう。なんかそういう感じの反応が波みたいに伝わっていくっていうのがなんか、後から映像観てみたら、すごいいっぱいありましたね。


手塚 そっか。その反応しあってる部分もあるんだね。その場で。


岡田 そうですね。


手塚 もしかしたらそれぞれ別々に録画したのかなって…zoom中にやりながら、お互いの反応を見えながら…


太一 別々に。


手塚 うん、別々に。


太一 それもまあ候補にはあったんですけど、ちょっとまあ、手間だからやめよう。


手塚 ふふ。でも、反応しあえたほうが全然いいよね。


太一 そうですね。やっぱ編集しきれないですもんね。バラバラに4つ撮ったら。


手塚 うんうん。


太一 4つ別々に撮ったら、それが果たしておもしろいかどうかも、不安という。


手塚 うんうん。そうなると今度、映像作品としての編集みたいにになってきちゃうから。


太一 そうですね。ちょっと演劇から離れちゃう。


手塚 そうだね、パフォーマンスしてる側が、パフォーマンスで影響を受け合うってことの方がずっとおもしろい、と私も思います。


顔面演劇出演者:岡田勇人、矢野昌幸、宮﨑輝、飯塚大周(左上から時計回り)

太一 そうですね。その顔面演劇の4人から、矢野君がちょっとスケジュール的に離れなきゃいけなくて、で、この顔面演劇のフルボディバージョンって呼んでるんですけど、それをSTスポットでこれから、12月にやろうとしていて。


手塚 おーほほ。いいねー。


太一 で、強い、強いボディが必要だなと思って矢野君の代わりを探してたんですけど、やっと見つけたんですよ、たくみちゃんていう。

フルボディバージョン出演:たくみちゃん

手塚 へーなるほどー、はははは。


太一 見つけたーと思って。


手塚 いいですねー。


太一 今もう、こないだ通し稽古もやって、すごい良かったです、たくみちゃん。


手塚 ほー。


太一 たくみちゃんと3人の関係性もすごい、いいので。


手塚 はー。


太一 もうもう。


手塚 その、一応動かないわけじゃん、この画面の中では。動かないっていうか、その立ち位置が。だけど、STでやるときはどうなるんですか?


太一 うご…


手塚 まだ言えない?


太一 動きます。うん、だいぶ動いてて。


手塚 うん。


太一 そうですね、その動きもなんかその、うーん、なんとなく必然のルートがあって。


手塚 うんうん。


太一 それをなんとなく、なんかこう、みんながとるようなことになってるのかなって、そのまあ、獣道回り道ありますけど、なんか、何かこう、アバウトじゃないものがあるっていうか。


手塚 うんうんうん。


太一 それは感じますねー。


手塚 なるほど。ほーじゃあその振付も、個々に委ねながらやってるわけ?


太一 そうですね。うん。たくみちゃんとかにももうお任せして。まあ、気付いたら、こういう感じはどうですかとか、言うんですけど。あんまりこう、決め決めにはしたくないなと思って。


手塚 はあはあ、なるほどなるほど。毎回違ってくる、というところなのかな。


太一 でもどうなんでしょう。


手塚 一応でも決まるの?動きは最終的には、即興っていうよりは、決めたものでやるって感じ?


太一 そうですね、即興のベースはないんですけど。


手塚 うんうん。


太一 まあまあ、毎回変わっちゃうんでしょうけど、ある程度のなんか、滑走路みたいのはみんなで共有しといた方が。


手塚 なるほどね。


太一 あ、全然違う感じで水中潜っちゃったりしてもちょっと、よくわかんなくなっちゃう。


手塚 はははははは。


矢野 はははははははは。


たくみ 基本的に全部、ちゃんと。


太一 全然話変わるんですけど、手塚さん美香さんと踊ってたじゃないですか。


太一 あの時って…


手塚 うんうん。黒沢美香さんのこと?


太一 はい、美香さんと。黒沢美香さんと。あの時ってけっこう、あの、すごい緻密に決めてんのかなあって思ったら、けっこう、なんかその、その場で起こることも…


手塚 ほとんど即興だね、うん。


太一 うんうんうん。あれすごいですよね。ま、その…ああいう即興だったら僕いいんですよ。


手塚 うんうんうん。


太一 だけどほんとになんか、ほんとの最近の即興ってつまんないなと思ってて。


手塚 はーん、うん。


太一 即興はちょっと違うなあって思ってたんですけど、ああいう…


手塚 難しいよね。


太一 難しいですね。ほんとに。


手塚 うん。


太一 しっかりした即興って難しいですよね、ほんと。


手塚 うーん、うん。


岡田 でもなんか、オフィスマウンテンがやってるのって一応演劇じゃないですか。


太一 そうですね。


岡田 だから毎回その同じ戯曲を使って上演をするじゃないですか。なんかその、同じテキスト使うってことが、ってとこに僕は即興じゃなさみたいなとこを感じてて。


太一 うん。


手塚 うん。


岡田 ま、そっから出てきちゃう動きは、毎日ほかの人の動きに反応してたりとか、お客さんから受けた影響に変わることはあっても、自分の動きのモチベーションにしてるテキスト自体が変わるってことはないから。


太一 うん。


手塚 うんうん。


岡田 それは僕は全然即興じゃないな、と思っていて。


太一 そうだねー。


岡田 なんか、即興やってるって感じはすごい、低い、低いっていうかないんですけど。


太一 あー。


手塚 うんうんうん。


太一 手塚さんのその最近の傾向っていうか、今の考え方っていうのはどういう風に、表現との向き合い方っていうか。


手塚 そーうだねー。


太一 多分あの…


手塚 最近は…


太一 僕と、僕が参加してた頃とはたぶん、かなり違ってきてますもんね。


手塚 変わったのかなー。


太一 はは、わかんないですけど。


手塚 まあ、作品一個ずつ、っていうか太一が参加してくれた時っていうのは、ほんとにこう緻密、全部言葉で動かなきゃいけないやつじゃないですか。あれは、無理、まあ、あれが特殊っていうか…


太一 はいはいはい。


手塚 あれはほんとに、あのーなんていうか、あの作品とプライベートレースだけなんですね。


太一 あーあー、はあはあ。


手塚 だからそれ以外は、なんて言うのかな、スイッチとなる要素は全部決まってるけど、動きはその都度変わるタイプがほとんどでしょ。で、だから、たぶんそのことは、即興をやる場合と、まあそんなに違わない。例えば、こないだやったそのなんて言うの、サマーフェスタでも、まあその、触るって言う感触、を自分がこう身体で反応するってことをやっただけだから、まあそれ自体は変わってないんだけど、リサーチみたいなのを私はしてないとダメな人で、今は前に太一も観てくれた「私的解剖実験6」STスポットでやったやつを、ベルリンの『Suddenly』というダンスコレクティブっていうか、チームの人たちがいて、カンパニーと違うのはヒエラルキーのないチームだというところなんだけど、そのダンスの人達が、「私的解剖実験6」にアプローチするって言ってくれたんですよ。(https://www.tanzfabrik-berlin.de/en/residenz)


太一 はいはい。


手塚 で、例えばフランスとかイランとか、オーストリア、インドみたいな感じの人たちなんだけど、全部、全員違う国の人たちなんだけど、その人たちと一緒に、「私的解剖実験6」のベースとなる身体の状態みたいなのを一緒に作った、そういうのをやって、そのときは、日本の中でどういう状況の中に人が閉じ込められるのかっていうことをやったんだけど「私的解剖実験6」では。それを、それらの国の人たち、それぞれの地域の人たちがどんな風に閉じ込めてるのかということを、今対話しながらリサーチしてたりとかしてます。


太一 あーーー。


手塚 で、そういったことから、どういうパフォーマンスが作れるのかなっていうことを、まあ相対的に見れるので自分のこととか自分が作ってきたこととかを。あとは単純にドイツ語がすごい大変で、ドイツ語の壁みたいなのがあって、言葉の壁と遊ぶみたいな感じで、身体と言葉の関係みたいなのを見ながら作品を作ったり。聞こえた?大丈夫だった?


太一 大丈夫です。共通の言葉っていうのは、英語とかを使うんですか?


手塚 うん。クリエーションでは、英語で喋って、やりとりしてるけど、まあ英語も私そんなに達者じゃなくて大変なんだけど。作品の中では、お互いの言葉しか喋らずに、パフォーマンスをするっていう感じでやってます。


太一:私的解剖実験の、今その、彼らとやっているものっていうのは、僕もSTスポットで観たんですけど。それを共有して作品を作る…。


手塚:共有。うん、共有して、その、彼らに反応することによって作品はもちろんできるんだけど、でも、かなり忠実に、その、閉じ込められた状態にどう反応するのかって、その反応が結構人によっては、うわぁ〜って同じ気持ちとなる状況になる人とかもいて、あるいは精神的にまいっちゃって今日はもう行けません、みたいな人が出たりとか。


太一:手塚さんの場合、もうそういう症状がワールドワイドなんですね(笑)


手塚:そう、びっくりしちゃった。あ、やばい、またやっちゃったかって思って(笑)


太一:(笑)


手塚:そう、ほんとに(笑)


太一:いやでも、作品自体は僕2日とも、2日連続で観て、2日連続号泣しましたけどね(笑)


手塚:(笑)


太一:いやもう、素晴らしくて。自分の妻に、由紀子にも教えて。あの場所は違うんですけど。あの、神戸に観に行って、ね?


手塚:そうだね。来てくれた。


太一:素晴らしかった。すごかったですもんね。


岡田:あ、質問なんですけど。


太一:あ、もう質問コーナー行きましょうか。


岡田:あの、閉じ込められた状態って、どういうことなんですか?


手塚:えとー、すごく、説明すると長くはなるんですけど。えとー、あの、えー、どう説明したらいいかな。


太一:なんか、ヒントになるか分かんないんですけど。


手塚:ヒント。うん。


太一:手塚さん僕に、若い頃の僕に、ずっとこう、自分を対象化しろって言ってくれてたじゃないですか。あのアドバイスが当時よりも今のほうがすごくきいてきてて。


手塚:うんうん。


太一:それがなんか、ちょっとその閉じ込められてるとか、そういうことにも、少し通じていくのかなと思うんですけど。


手塚:うん、そうですね。


太一:なんかそれとは少し違うものなんですか?


手塚:あの、閉じ込められる状態っていうのは、対象化できればそこから外に出れるってことなんですけど。その、なんていうのかな、あのー、閉じ込められるっていうのはつまり、何に閉じ込められてるかって言うと、えーと、一つの評価基準に閉じ込められるということですね。で、その、いろんな人によって、いろんな基準とか、いろんな感覚があって。で、その色々な基準ってのは全然問題ないから、その人が持ちたければ持てばいいと思うんだけど。それがいつの間にか、たった一つの基準しかないっていう風に、って思い込まされてしまうような、状況になってしまう。そうすると、そのたった一つの基準で見たときに、その基準からいうと、あなたは人として、あのー、だめです、とか。その基準からすると、あなたは、このくらいの程度の人間ですね、とか。だからその基準から自分やひとを線引きとかに閉じ込められてしまう。それがその、閉じ込めるっていうことの意味なんですけど。


太一:あ、なるほどなるほど。


岡田:なんかそれって。


手塚:それでその、そこから出るためには、その閉じ込められているのをより強くしていかないといけないと。閉じ込めてるってことがはっきり肌で感じるまで、閉じ込められていくような仕組みにあの作品はなっていて。


太一:うんうん。


手塚:だから苦しいんだけど。で、だから閉じ込められる、それがこう、来た来た来た来たーってなって、それにこう、おえーって反応していく。あの、だから、苦しい分、体がこう、反応しちゃうんですよ。それをこう、自分の中で観察していくと、観察しながらそれが、勝手に増幅していって、そこから外に出れるっていう。


太一:うんうん。


手塚:はい(笑)まぁそういう。


太一 外に出るっていうことっていうのはゴールじゃないですもんね?


手塚 そうです、そうです。ゴールじゃない。ただ…


太一 でも、危険を伴いますもんね。


手塚 そう、危険は伴うんです、そう。


太一 うっふっふっふ。


手塚 だから、その危険を伴ったから、その1人ほんとに危険を感じてこれなくなったりしたんですけど。


太一 日本でやった時もやっぱり拒否反応が出てる方もいましたよね。


手塚 そうです。日本でやった時も特に日本でやった時も特に私の旦那、大沢寅雄氏が、俺は一体何をやればいいんだーって発狂してすごい大変なことになったんですよ。


太一 いやわかりますよ。わかります、わかります。


手塚 当日の昼とかに。それで、ほんとにあのさ、うどんでも食べに行こうかーって言って、こう、うどん食べながら喋って、でもなんか…


太一 いや難しいですよ。


手塚 うん。でも結局その日が寅雄氏最高のパフォーマンス見せてくれたの。


太一 はい、ははは。


手塚 だからその、なんていうのかな、やっぱり…


太一 危険…


手塚 そう危険。自分の内発性って出さないようにして生きてるじゃん、普通なので。その方がうまくやれるから。それをなんか、外にぶわあって、内発性を外にぶわあって解放するのってすごい怖いことだから、それをもちろん観察なしでやったら危険なんですよね。


太一 うんうん。


手塚 だけど、観察しながらやればそれはパフォーマンスになる。ギリギリのラインのとこですね。


太一 ギリギリのラインですよねでも。


手塚 はい、ギリギリのラインでした。


太一 リサーチ込みでっていうのは、そのリサーチってのはイコール観察ってものの延長線上にあるってことですよね。見るっていう…


手塚 共同…、まあそうですね。共同リサーチ。私が勝手に彼らをリサーチしてるってことではなくて、


太一 ね、双方の。


手塚 うん。彼らがまあ、私の作品を選んでくれたんですよ。「私的解剖実験6」をやりたいって。


太一 おー、はい。


手塚 だから私が、じゃあ共同リサーチだよね、ってことで。私はどのくらい自分のワークショップを与えていいのか全然わからなかったんだけど、彼らもリーダーがいないから、じゃあ夏子こうしてとか、言えないでどうしたらいいかなあってもやもやもやってなってて、じゃあ私がワークショップをあなたたちにしたらいいのかなって言ったら、そうしてくださいって言われたから。


太一 あー。


手塚 じゃあ、ねー、全然こう私プッシュとかしてなくて。彼らがこう求めてきてくれたからやるみたいな。なんかそういう感じでできたかな。


太一 なるほどー。


手塚 うん、そんな感じ。


太一 なんか手塚さんの影響を僕はすごく受けてるんですけど、手塚さんがこうなんか自分の身体にかかってる抑圧を必ず無視するなとか、それは日常でも表現においてもそうなんですけど。そういう風な視点を与えてくれたってのは、たぶん僕が今日も続けてるっていう要因になってて。でこうやって仲間にも恵まれて。だからその、今手塚さんがどういう表現に向かっているのかも気になるし、今変わってなくても別に構わないんですけど、僕も変わってないし。やっぱり対象化することとか、観察することとか、抑圧を無視しないこととか、基本的な、自分の基本的なことになっちゃってるんですよね、それはね。


手塚 うんうんうん。


太一 そう、だから、俳優はこうして欲しいっていう要求が僕は人と少し違ったりして、僕が全部決めるっていうことに対してすごく憤りを感じるし、何かそういうこう…


手塚 すごくいいね。すごいいい展開だね。私もだから、どんどん私が何か振付をするんじゃなく、どんどんなっていってはいる。


太一 あー。


手塚 その人の大事なものに触れたい。一緒にやる人がね、うん。ほんとに大事にするものに触れたい。そういう風に私も思うし、だから基本的に抑圧に対する観察の態度は全く変わってない、ただその抑圧の状況が、たぶん時代によってとか、抑圧の状態が時代によって変わっていっている、かもしれない。だから、どんな風に、全く抑圧に感じないようなものが実は抑圧になっているかもしれない。だから、そういう風に変わっていく物事にも意識を向けて、それに向けてまた観察。だから観察すること自体は全く変わってなくて。


太一 はいはい。


手塚 やり方が、その手法がちょっとずつ変わってるって感じ。


太一 なるほどー。なんかみんな聞きたいことがあったらどんどん聞いてください。手塚さんに聞いてください。まあ手塚さんにもほかの人に聞きたいことがあっても。


岡田 今の話聞いててもやっぱりすごい、なんか僕は太一さんをプリズムにして手塚さんを見ている感じになるんですけど、やっぱり太一さんが絶対に役にさせてはくれないじゃないですか役者を、自分が上演するときに結局自分自身の作業を見ながら書かれた台詞を言っているっていうことで、それって全然ある用意された役になることじゃなくて、上演の舞台に乗っている間も結局自分自身だから、今なるほどなーって聞いてて思って。で、新しい抑圧の話なんですけど、僕それまさに顔面演劇ですごい、人とzoomで会うじゃないですか、そういうときにみんなどういう顔してるかなーっていうところでなんか、稽古中にこういうとき意外とみんな自分の顔映ってるから見てるよねとか、そういうの観察してたりして、そういうことかなーって思って。


手塚 たしかに。人と喋ってるのに自分の顔を見るっていうのは普通に考えて変なことだよね。


岡田 はい。でも最初変なことだけど、みんな当たり前のようにやってるから、だんだんそれが中に入ってきてるんですよね、勝手に。


手塚 そうだね、そうだね。だから人に見られたときの自分の顔を自分でこう調節しちゃう、不機嫌そうな顔にならないようにしちゃう、それができちゃうところが怖いよね、たしかに。


太一 あー、そうですね、それそれはある。


岡田 けっこうみんなこういうオンライントークするときに自分を演出していて、そういう意味で。なんかそれ面白いなーって思って。


手塚 たしかにそうだね。


岡田 だから、顔面演劇も馬鹿馬鹿しい企画っちゃ馬鹿馬鹿しい企画なんですけど、でも絶対今やった方が面白いなーと思って。


手塚 たしかに。


岡田 あれただzoomで話してるだけですもん、4人が。だからある意味日常でやってることもっかいやってるだけなんだけど、やっぱり最後まで見れなくなっちゃう人がいるくらい変なものになっちゃったけど。なんかそれで、これもある種の新しい抑圧に反応して作ったものだなーって今聞いてて思いました。


手塚 うん、そうだね。そうだと思う。


太一 僕若い頃にけっこう手塚さんとかに、苦手な人を前にしたときのいなし方見たいのとかもけっこう教えてもらってて。役に立ってるし。まあそれだけじゃ、ほんとにただのヤバいやつなんですけど。ほんとにいろいろ教えてもらってたなと思って。そういうことが活用することじゃなくて、自分に対してこうなんか、なんていうんだろう、表現というか、身体への意識が自分を律してくれてたっていうか。それで対人恐怖みたいなのも消えてったし。けっこうほんとに助かってますね。


手塚 よかったよーそれは。


太一 いえいえ。僕今、手塚さんから見て落ち着いて見えますよね。


手塚 落ち着いたねー、ほんと。


太一 そういうのはまあ、歳も歳ですからね。


手塚 幾つになったの?幾つになったの?


太一 僕41です。


手塚 そっかー。私ももう50だけどね。


太一 だから出会って20年経ってるんですよ。


手塚 そうだー。


太一 初めて会ったとき僕まだ19ですから手塚さんに。


手塚 あ、そんな若かったんだー。


太一 はい。


手塚 19でね、「私的解剖実験」に反応してくれるとは、ほんとー。


太一 僕ほんとに初めて手塚さんのダンスをそれもやっぱりSTスポットで観て。


手塚 そうだねー。


太一 はい。その終わったあとにその終わった後にすぐワークショップお願いして。


手塚 そうだね。初めて、私ワークショップやったことなかったのにね。


太一 そうですよね。


手塚 最初やってもらって。


太一 弟子第一号と勘違いしちゃったんですけど、はは。


手塚 いいと思います。


太一 はい。弟子にした覚えはないっていうか。


手塚 ははは。


太一 なのでね、方々でこの話してるんですけど。


手塚 はー、太一くんのおかげで、私も日本でワークショップやる時に、太一くんから聞きましたっていう人がたくさん来てくれて、ほんとにありがたいです。


太一 ほんとですか。いやいやほんと俳優こそ受けるべきだと思うんで。


手塚 うん。


太一 オンラインでのワークショップみたいなのもやったりこれからしていくんですか?


手塚 まだねー、やったことがなくて計画、あ、一回だけ秋田大学、秋田美術大学の企画で一回やった事はあったんですけど。


太一 はいはい。


手塚 でそれんときに、意外と私のワークショップって、zoomでもできるタイプのやつだとわかったので。


太一 zoomの方が安心ですよね。安全ていうか。


手塚 ふはは。たしかに。ね、身体を観察したりとか、身体の地図を書いたりとかさ、例えばそういうのが基本になっているから。そういうのってできるじゃない。


太一 はい。


手塚 まあだから、やってもいいなーって最近。


太一 いや、どんどんやった方がいいと思います。みんなのためにもっていうか。


手塚 そうだね。やってみよ。


太一 若い方とかほんとに手塚さんを噂でしか知らない人の方が多くなってきてるんで、やっぱり。


手塚 昔からそうだけどね。昔から噂の範囲内の人。


太一 つちのこ的な存在って事ですか?


手塚 そうそう笑。実際に見た事ないけど手塚さんてなんかよくわかんないことやってそうだよねって。


太一 ほんとにそうですよね。


手塚 ええ、そうですね。


太一 実際に会ったことない人が、手塚さんの話してたりしますからね、ほんとに。


手塚 するよねー、そうそうそう。


太一 ほんとに、すごいですよ。


手塚 お客さんの人数いっつも少ない。


太一 はははは。


手塚 なんかこう、人としてっていう感じ。ありがたいことで。


太一 そうですね。大周とか聞きたいことがあったりしたら。大周はSCOOLの手塚さんの顔ダンスって呼んでいいんですか?


大周 あの「課題曲」のたくみちゃんも出てたあれをちょっと拝見させてもらって、その時に顔面演劇っていうのをやろうってちょうど始まったくらいで、あれを見たので、これは非常にタイムリーだなと思って、えーっと絵を描いてたんですけど、まあどっか行っちゃったんですけど。


手塚 本当?その顔の?


大周 そうですね。写真撮れない時、まあ基本的に劇場で写真撮れないんで、そういうとき急いで絵描いて、それを後で共有するんですけど。あれはなんだろう、どういう、手塚さん的にどういう意図で行ったのかなっていうか、ちょっと、意図っていうかどういう経緯でああなったのかなっていうのがすごい気になってて。


手塚 曲で踊るっていうか、曲で踊らなきゃいけないのって私自分ではやらないので、あれが2回目だったんですよ。で、1回目も顔ダンス、顔で踊ったんだけど、なんで顔でやるかっていうと、自分のコントロールできる、音に合わせるって事はさ、身体をコントロールしなきゃいけないってことだからさ。


大周 うん。


手塚 そのコントロールできる範囲が顔くらいだけだっていうだけの話なんですけど。


太一 あ、コントロールできるのが顔?


手塚 できるけど手とか足とか。でも、全身をコントロールしてダンス作るって言ったら、けっこういい感じでコントロールしないとダンスにならないじゃないですか。


太一 うんうんうんうん。


手塚 だからそれができないから、この中だけだったらもっとこうっていう感じでして、その音に、リズムに合わせたりとか、そういうのが顔の中だけだったらできるっていう、そういう理由ですね。基本的には。


太一 手塚さんはもともとコントロール不全とか、コントロール外にいくような振付も多いじゃないですか。


手塚 あのできないから。だから、自分で身体をコントロールして、それまではね。以前はね。踊って、映像撮ったりしてるんだけど、ああ、こりゃだめ、ああ、これはにっちもさっちもどうにもならないなと思ったわけ。だから、そこで身体を観察することで、自分に何ができるのかなっていうのをもう一回全部洗い出さなきゃいけなくて、その時に、身体の一点に集中するとかさ、そうすると身体が反応する。つまり、コントロールしないことによって生まれるような振りが、まあ自分には合ってる。


太一 ああそうだったんですね、はいはいはい。


手塚 うん。だから基本的にはもうコントロールしない方向の振付ばかりやることになったわけ。


太一 はあはあはあ、面白いですね。そうなんだ。でもコントロールできる、あでもそうなんですね。そういう感じじゃないと思ってました。


手塚 そうなんだ。私はもうにっちもさっちも右も左もできないんで、なんていうか苦手な、できないのが多すぎて、できることを一点に絞らないとダメだっていう、そういう感じですよ。だから、ほんとに一部分だけに意識を向けるとかだったら、誰でもできるから、すごい集中すれば自分にしかできないことになるっていう感じでやったってことなんですよね。


太一 へ〜。


たくみ STでシール貼ってたんですよね。


手塚 そう顔にね。顔ダンスが2回目だから中途半端な振り付けじゃダメだなって思って。できるだけ小さい範囲を動かそうと思ったわけ。それで自分の顔の筋肉をどんなふうに、いろいろ動くとこを見つけて、そこに青いシールを貼ったり黄色いシールを貼ったりして、この音は青いシールを動かそう、この音は黄色いシールを動かそう、みたいな感じで振付を決めたわけ。


太一 へ〜。


たくみ すごいなんか変な曲で。ジャズのなんだ。


大周 マイルス・デイヴィスの「Black Satin」っていう。


手塚 そうそう。


たくみ エレクトリック・マイルスとかっていうマイルス・デイヴィスがテクノっぽい感じで作る時代の曲で、いろんな音がわんわんわんわん鳴って微妙に変わりながら、変わっていって反復してくみたいな曲で。けっこうあのシールと音がしっかり対応してるってことですよねあれ。


手塚 そうそうそう。一応そういう意図だと思ったからね。


太一 そうなんだー。


大周 「課題曲」見てない3人には、太一さんもか。


太一 僕も見てない。


たくみ あれ映像ってでてないですよね。


太一 出てない出てない。


手塚 あの映像ならうちにあります。でも別に、あの別に合うようなもんじゃないかもしれない。家で楽しんでもらったらいいかもしれないけど、何の参考にもならないと思う。


太一 いやそんなことないっすよ。


岡田 それってシールを貼るから細かく動かせるんですかね?


手塚 ああー、そうだね。意識をそこだけに向けるって意味ではそうだね。鏡を見ながら、ここが動くよ、目の下だけとか、ここだけとか、ここだけとか、前のこことか。動くところは自分で見つけた後にそこにシールを貼って、そこだけ動かす練習をする。


岡田 すごいっすねそれ。


太一 すごいなー、いやでもすごいですねー。


手塚 すごいとか言わないで、もう馬鹿馬鹿しいからさ。自分でわかってんだけどさ。でもそれも、誰もいないスタジオで、誰もいないって言っても手伝ってくれてた子はいたんだけどさ、その子は真面目にカメラワークのこととかしか考えてないから、誰も笑わないし、反応がないから、その、はははは。それを真剣にやってるっていう自分のこうなんていうかさ、馬鹿馬鹿しさにさ、ちょっと…


太一 いやいやいや。


手塚 どんな反応かわかんないからさ、すごいドキドキでしたね。


大周 いやまさしく顔面演劇と同じですよね、zoomの。


手塚 そうだね。


岡田 僕は全然そんな何往復もできなったですね。逆に、全く自分の顔って細かく制御できなかったです。やってて。


手塚 でもそれは顔に指示じゃないからじゃない?


岡田 あそうですね。それはたしかに。


手塚 そっちの方が絶対面白いよ、うん。私のはほんとに顔の筋肉を動かしてみただけだから、だから何っていう、そういうやつです。ただ、音とのリンクのことだけ考えて。テーマがまあ一応それだったからね。


太一 もう単純に単純に顔以外の振付、顔以外の意識はないってことですか。この筋肉に対する指示だけ。


手塚 そうだね。だから逆に、顔の指示だけで身体も動いちゃうかもしれないよね。そういう逆のベクトルも考えられるけど。


太一 僕らもこの顔面演劇を作りながら、できるだけ顔への直接的な指示、振付をなくしてみようとかそれによって動く顔とか、変化する顔とか。


手塚 うん。面白い。


太一 反対にここはもっと顔に対してもっといった方がいいんじゃないかとか。すごいこう迷いながら作ってたんで。


手塚 なるほどね。


太一 具体的なそういう話聞くとほんとに勉強になりますね。


手塚 うんうん、ありがとう。


太一 面白いなー。見てみたい。それは必ず見たいですね。


岡田 こんな顔面だけでトークできる場ないですよね、たぶん。


手塚 たしかにたしかに。


大周 さっきの手塚さんの話聞いて面白いなと思ったのが、やっぱ印なり、あと名前をつけたり、なんか効能で認識しやすい形を間に挟んで、インターフェースとして間に挟んでから、この音では反応しよう、ここを動かそうっていう振付が生まれてくるっていうプロセスがちょっと興味深いなと思って。


岡田 絶対大周さんうまそうですけどね。


大周 あ、顔ダンス?


岡田 大周さんが顔の動きが一番細かかった気がします、やってて。


大周 あそう(メガネをとって顔の筋肉を動かす)。


太一 うん。ちょっと違うなー。


岡田 はははは。


手塚 はははは。


大周 顔系は嫌いじゃなかったんで。


手塚 ふふふふ。間にインターフェースを挟むっていう表現はいいですね、すごく。


大周 手塚さんの場合はインターフェースがシールだったっていう。


手塚 うんうん。その、「プライヴェートトレース」って太一くんとやった「サンプル」のあとのやつ自分でもやったんだけど、その時に最終的に言葉の指示を舞台上で流すやつになったんですよね、それを作った時に言葉の指示が見ている人にとってのインターフェイスになるなあと思いました。その時にインターフェースって言葉使ったなと思って。今の話すごい面白く聞きました。


太一 じゃあもう括約筋デュオみたいな技は封印しちゃうんですか?


手塚 はは、懐かしいねー。別に封印してるわけじゃないけど。そうだね、そういうこともあったねたしかに。


太一 そういうのもまた見たいですね。


手塚 あっはっはっは。うん、そうだね。


太一 あれ以降見た事ないんで。


手塚 でもインストラクションで動くっていうことは相変わらずやっていくかもしれないし、そういうのの中の一つにそういう細かいところに意識を向けるっていうのがもっと入ってもいいのかもしれないね。


太一 うーん、そうですねー。


手塚 なんか、憶い出しました。


太一 上丹田で喋るなみたいなのけっこう言って。


手塚 あったね。あの頃の太一くんのそれがヤバかったから。なんていうのかな、太一くんだけじゃなくて、そのなんていうのかな、そうなっちゃう人が割といて、その人と喋ってると私がしんどいから。


太一 あはは。


手塚 ははははは。


太一 そうですよね。


手塚 私もつられてそうなってきちゃうからさ。そのなんていうかな、浸透度がね大きいんだよ。人からそういうのが自分に浸透してきてしまう度合いが。だから、この人丹田きちゃってるなーとかすぐそう感じちゃって。それが何も言わなければただ単にそこを素通りする関係になっちゃうわけ。しんどいからね。でも一緒いてに何かやりたいと思ったら、あ、あの、上丹田を下に下げて頂けますか、みたいな感じでコミュニケーションをとると、ずっと一緒にいれるってわけ。


太一 あ本当ですか。いやほんとに、色々言って頂いたことはいまもちゃんとプラスに働いてますから。


手塚 ああよかった。それでよかった。細かいところまで覚えていてくれてるのが、なんかこうドキドキするね。


太一 いやもう覚えてますほんと。宮崎くんとかなんかある?


宮﨑 そうっすね。観察、自分を観察するってことが、今フルボディバージョン、上演版の稽古が始まってるんですけど、僕は俳優をやったことがなかったので、初めてやったのがzoomの画面に向かって顔で何かパフォーマンスするっていう今回の演劇だったんですよね。いざ舞台に立ってみると、思ったより自分、自分のこと、自分の作業、自分の振付に集中すると、他のことが見えなくなるし、逆もどっちか一つしかできないみたいな時間がずっと続いちゃったなっていうのがあって、手塚さんの自分を観察することは例えばワークショップだったり、どういう風にやられてるんですか?


太一 あの僕がたまに言ってる左肩を目にしてとか、胸を口にしてとかは、もう全部手塚さんから教わったことで、身体に実際に目のシールを貼ったりして、そういう風に身体をもっともっと、身体のどこかで聞きにいくとか、身体のどこかで喋りにいくとか。そういうのは手塚さんから教わったことで。ほんとにそういう風にして考えられたことがすごい大きかったんで、なんか宮﨑くんもこういう風にしてくれているところもあるじゃない?振付の中で。うんうん、ね。


手塚 あの、観察をどうするかっていうので、今回のこちらの人とやってる時も話題になったことは、観察するときは、身体を凧を持って凧を持って自分が離すんだよって話をしたんですね。こうやって持ってる人、見える?


太一 今手塚さんの画像が若干止まっちゃってるんですけど。


手塚 止まっちゃってる?


太一 あ見えました。


手塚夏子さんによる凧の絵

手塚 見えた?うん、で、上のほうが凧で、下の方がまあ持ってる人ね。


太一 うわ俺今めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど、俺偉そうにそれみんなに言っちゃったかもしれないです。


手塚 ほんと?言ってくれて全然いいんだよ。つまり、身体を、身体をっていうか心の中には身体だけじゃなくて、感情とか意識以外の全てのものがここにあって、それを観察するのね。これが近すぎると、自分がやってることを逐一自分で追っちゃう。意識が。そうすると、すごい苦しいの。だから、凧の紐は短く持っちゃダメなの。離したほうがいい。


太一 はあはあはあはあ。


手塚 で、すごい抽象的な話かもしれないけど、自分を観察する時にそこの紐を伸ばすことによって自分だけじゃなくって観察できる範囲っていうのは同時に広げられるっていうことはあるよ。太一くんが言ってたここ目にしたりっていうのは、なんていうのかな、一つのモード、自分の身体的モードを変えるっていうことだから、それをすることによって観察する深度が深くなってくるっていうか、すごい変わってくるというか。日常の自分がこう喋ってる時の身体の状態じゃない次元が見えてくるような感じになるの。


太一 うんうんうん。


手塚 だから観察することの難しさは、必死になってしまうとか、自分の意識を自分のやっていることを追いかけていっちゃうとか、そういうのは苦しさにつながる。例えば、自分がほんとはこうあるべきなのになっていないみたいなチェックをすることが観察することだと思っちゃうとすごい苦しくなっちゃうから、それはなるだけお勧めしない。観察するっていうのは、自分をチェックしたり判断したりしない。ただ単に揚げてる凧の距離感で見るってこと。


宮﨑 はい。


手塚 でそれは仮に、紐が長ければ長いほど凧は自由に動いてくれるから。それがすごく、精神的にはいいって気がしててね。だし、その手を紐外したら凧はどこ行くかわかんない。落下したりしちゃう。それは危険なことなんだよね。自分の、例えば、腕に目をつけるとかそういうのやった時に自分を観察しないでやっちゃうと、自分の状態がどんどんなんかこういろんな方向に飛んでってしまう強さを持ってるのそういうの。それは、観察しないでやるのは、それこそ気が狂っちゃうから。発狂しちゃうとかさ。そういうことを防ぐためにも、観察は絶対必要です。紐は離さない、でも紐は延びていたほうがいい。そういう感じなんだよね。なんて、アドバイスしてみました。


太一 僕自身は言われた時はたしかチェルフィッチュかなにか見に来ていただいた時なんですけど、凧が揚がってて、凧の糸を持ってるのも自分でどっちも自分だっていう、ことを。


手塚 あそうだね。


太一 はい。本番の後に言っていただいて。ものすごく、ものすごくありがたい言葉だったなあと思って。今ちょっと自分の中で危険なほうにいってたのかもしれないし、自分のなかで何もかも精査できない状態でいたのかもしれないので、それに対して本当に危ないほうに身体が傾いてたかもしれないなと思って。


手塚 そっかそっか。紐手放しちゃうとやばいからね。


太一 そうですね、そっちの方むしろ好んで行ってたかもしれないですね。あの、危ないほうに。


手塚 わかる。パフォーマンスを追求していくとそういうほうになるよ。


太一 なりがちですよね。


手塚 うんうん。


太一 危険だったなあって思いますね。


手塚 それはすごいわかる。それはわかる。うん。でももっと言えば、すごく遠くまでいける、いくこともできる。紐を延ばしさえすればすごく遠くまでいくこともできるの。だから、紐を手で持っているってことはパフォーマンスの強度を低めることにはならない。


太一 もっと遠くまでっていうのは実際の距離の問題ではなくて、なんかこう概念の中でってことですよね。その身体の…


手塚 そうだね。両方自分なんだけど例えば普段の自分からすごく遠くにいくみたいな。


太一 なるほどなるほど、はい。


手塚 こうやって喋ってる自分からは、すごく遠くにいくってこと。


太一 わかりました、わかりました。


手塚 うん。紐を手放しちゃうと自分のところに帰って来れなくなるとそれはダメってこと。


太一 ははあ。まあちょっと帰って来れなかった人とかも何人かは見てるんで。


手塚 ほんとにー?


太一 だから、自分はいいほうな気がします。


手塚 それは、うん。ふふふ。


太一 怖いですよねほんとに。


手塚 そうだよね。


太一 ほんとに怖いことですね。


手塚 いや身体ってほんとにっていうか、いろいろなものが宿れちゃう。いろんな状態のところにいけちゃうからね。


太一 そうですね。


手塚 それはすごいいいことなんだけどね。危険もあるけどね。まあ私も人のこと言えないからさ。パフォーマンスの中で人を危険に晒してきてしまいました。うん。


太一 はっはっは。あの、旦那さんとかも。


手塚 今のところ大丈夫。


太一 大丈夫ですか?


手塚 太一くんもちょっと落ち着いてきたし、よかった。


太一 全然僕はほんとに、後遺症もないですからね。


手塚 あよかった、よかった、よかったです。


太一 わかんない。今後の人生で出てくるかもしれないですけど。


手塚 あっはっは、そうだね、たしかに。


太一 はい。たぶん間違い無いと思います。なんか皆さん他になんかどうですか。たくみちゃんどう?今回はダンサー、ダンサーっていうかまあ、ね。


たくみ なんかすごいあのー、稽古はとても楽しくて。今日お話聞いて、太一さんが若い頃手塚さんのところで色々実践していたっていうのは本読んで知ってたんですけど、zoomですけど一緒に話すのは初めてなんで、それが空気感でわかったのはすごい今日はよかったです。


太一 ほんとですか。


たくみ 最近思ったんですけど、すごい、いやまあ、稽古するとビールがうまいんですよね。


手塚 はは。


太一 あーそうだよね。


たくみ オフィスマウンテンの稽古だっていう意味。きっとなんかそれは秘密があるんだなと思って。それは直接、手塚さんの作品とか稽古とは関係のないかもしれないけど、でもきっとなんかあんのかもしれないなとか思ったり。すいません、全くまとまらないんですが。


太一 ははは。


手塚 はははははは。


太一 手塚さんの作品の稽古の後はビールなんか飲めないよ。


手塚 ははははは。太一くん床に転がったまま低くなって、もうほんと危険になっちゃったこともあったよね。


太一 あそうです。ね。


手塚 体温が急激に下がってもう起き上がれなくなっちゃって、すごい、別に追い詰めたとかいうわけじゃないと思うんだけど。


太一 そうですね。


手塚 ま、でも今だったら全然大丈夫だと思うよ。ビールが美味しいと思うよ。


太一 それは…いい意味ですか?


矢野 はっはっは。


手塚 いい意味です。いい意味で。


太一 当時だって全然ビールを欲しないほうがいいと思いますよ。


手塚 ははは、ああそうか。


太一 はい、もう終わらずに。ずっと、もうずっと考え続けてるほうが。


手塚 ストイックなんだよね。太一くんは私がやることの吸収度と真面目さがちょっと、すごい集中度が高かったってことだと思う。うん。


太一 うーん、そうですかねー。


手塚 うん。それからそれがそういう風にそういう風に言ってくれるのにつながったんだと思うんだけど。


太一 でもやっぱみんなと稽古してて、みんなすごい集中度高いですね。すごい勉強になることがいっぱいあるし。


手塚 まあみんなが太一くんが集中度を求めてるってこともわかってると思うし。


太一 まあ、そうですねー。まあまあ、危険ですね。あんまりちょっと。


手塚 まあまあ、いや、いいことだよ。ビールが美味しいと感じられる程度にすごい集中したらいい。


太一 そうですねー。それはもうみんなで共有してます。


手塚 うん。それはいいことだ。


太一 しかもこういう時期なんで、もう野外でビール飲んでるんで。


手塚 いいね。


太一 距離をとって。


手塚 距離をとってね。


太一 まあちょっと時期的に寒いんですけど、それもまたいいなっていう感じで。ベルリンの方はどうですか?気温の方はだいぶ下がってくる時期ですよね。


手塚 そうだね、だいぶ下がって。ちょっとずつ身の危険を…ほんとに酷くなるとマイナス何十度とかになる。


太一 ですよね。乾燥もひどいんじゃないですか?


手塚 あーそうね。乾燥乾燥もひどいぢ、特に暖房を入れると大変なことになるから。


太一 ですよね。


手塚 ちょっとずつ慣れてきたけど。


太一 あー、僕ビッチャビチャに濡れたTシャツとか干してましたもん。


手塚 え、どこで?


太一 ベルリンで。


手塚 あ、ベルリンで?ベルリンいつきたの?


太一 えっと、チェルフィッチュでは何度も行ってて。


手塚 へー、そうだったんだ。岡田さん今こっち来てるよ。


太一 あ、ほんとですか。


手塚 こないだ一緒にご飯食べた。うん。


太一 じゃあ、日本からも渡航で行ったりはできるんですね。隔離とかも挟むんですか?


手塚 ん、こっちに来たら隔離はないけど。


太一 あ、ないんですね。


手塚 だから仕事とか、家族とかちゃんとした理由があれば来れる。観光はダメだけど。


太一 あー、なるほどー。


手塚 その代わり、帰った時が逆に隔離だね。2週間。


太一 そうですか。なんかもうちょっと良くなってくれるといいですね。


手塚 うん、ほんとだね。


太一 そうかー、そろそろあれですかね、時間も。


手塚 そうだね。


太一 手塚さんの方はアフタヌーンですけど、僕らはもうすぐ23時半なんで。


手塚 そうだね、そろそろまとめようか。


太一 最後に手塚さんから一言もらって。


手塚 え?私ですか?この時期にどんなことやるかってアーティストそれぞれ悩ましいことなんだけど、ほんとにその中でできることを模索してその中で面白いものを見つけてるって思ったから、顔面演劇。すごく励まされました、私も。私も、自粛の今、ちょっとロックダウンの事態は11月いっぱいって言ってるけどたぶん伸びるし、やれることを自分の中でこの状況の中で探して、面白いって自分で思えるような道を、また模索していきたいなって思ったので、お互い頑張りましょう、みなさん。


太一 ありがとうございます。


手塚 STスポット、楽しんでやってほしい。


太一 はい。もしよかったら今のメンバーも手塚さんのワークショップでバッチリ鍛えてもらって。


手塚 あそうだね、へへへ。ワークショップじゃあ企画して、そのうち。


太一 岡田くん宮﨑くんとかはワークショップとか受けたことないんで手塚さんの。ぜひ受けさせてあげたいなあと思って。皆さんなんか言い残したことはないですか?大丈夫ですか?OKですかね。じゃあすみません、手塚さんわざわざありがとうございます。


手塚 いえいえいえ、こちらこそすごい久しぶりで楽しかったです。


太一 寅雄さんときりんくんにもよろしくお伝えください。


手塚 はーい、ありがとー。ありがとうございます。


太一 ありがとうございます。


手塚 また会いましょうー。



閲覧数:171回0件のコメント

Comments


bottom of page